どんな病気?症状は?

特発性膀胱炎というのは原因不明の膀胱炎をさし、猫に多くみられるタイプの膀胱炎です。

10歳以下の猫の膀胱炎の原因の6割が特発性膀胱炎と言われるほどの多さです。でも、これを確定診断出来る検査はないので、他の原因を検査によって除外することで確定診断をします。(他の原因には感染、尿石症、先天的な構造の異常、腫瘍などがあります。)

症状は一般的な膀胱炎と同じで、何度もトイレに行って排尿姿勢をとる、少量のおしっこをする(数滴のこともあります)、排尿時に痛がって鳴く、しきりに下腹部や陰部を舐める、尿に血が混ざる、などの症状です。

基本的には1週間程度で治癒します。(この間に、まったく尿が出なくなる尿路閉塞の状態になってしまうと、1-2日の間に猫の状態は急変し、ぐったりして命の危険もある状態になります。早急な対応が必要なので、動物病院に連れて行きましょう。)

原因は?

ウイルスや、食事のミネラルバランス、肥満、遺伝的な関連が示唆されていますが、特にストレスが発症に大きく関与しているのではないかと考えられています。(人間の女性に多い間質性膀胱炎と成りたちは似ているのではないかと考えられています。)

猫にとってのストレスとは、『トイレの砂や場所の変更』『トイレの汚れ』『多頭飼育なのにトイレの数が少ない』という直接的にトイレに関するものから、気候の変化、家庭環境の変化(引っ越しや構成人数の変化など)、外の環境の変化(工事や騒音など)など、直接的に原因とは思いにくいものですが、これらの関連が考えられています。ただ、このように原因が特定できないので、非常に再発しやすいです。

病院で必要な検査、治療法は?

検査はまずは尿検査を行い、結晶がないか、細菌の感染がないか、その他の異常が見られないかを確認することから行います。そのため、このような時には尿を持参することをおすすめします。

もちろん尿は新鮮尿が良いです。ただ膀胱炎を起こしている時には尿量も少なく、あまり採取できない可能性もありますが少量でも液体で持参すると検査がしやすいです。(最低限の検査であればペットシーツに染みた尿でもOKという病院もあります。)魚などのトレーを綺麗に洗ったもので尿を受けるか、いつも使っているトイレに砂の代わりに新聞紙をちぎったものを入れ(尿がしみこまないので)、その尿を持っていく方法もあります。

その他は超音波検査で膀胱内の状態をチェックしたり、状態によっては血液検査等を行うこともあります。このようにして、その他の原因による膀胱炎を除外します。

治療法はストレスを減らすように環境を変えること、食事内容を変更すること、そして、水分を積極的に取らせること、そして、必要に応じて炎症を抑えるような薬での治療を行うことなどです。そのままでも自然に治癒すると言われていますが、放置しておくことで猫自身もストレスになるだけでなく、尿路閉塞になる危険性もあります。尿路閉塞は命に関わる病気なので、この病態になることは避けたいです。

どんな猫種がなりやすい?

長毛種の猫は遺伝的に比較的なりやすいといわれていますが、体質的に繰り返す猫は再発をしますので、日常的に食事や生活環境などに配慮する必要があります。

主な予防法は?

食事を缶詰に変更する

食事を缶詰に変更することで、少しでも水分摂取が促されるということを目的としています。中にはドライフードを好み、缶詰はあまり好きではない猫もいますが、人肌程度に温めると食欲が刺激されて食べてくれる猫もいます。また、食事の内容も療法食に変更することをおすすめします。療法食は水分摂取を促したり、結石が出来にくいミネラルバランスにしてあったり、膀胱の炎症を和らげたりということに特化しています。動物病院で購入する療法食をおすすめします。

ドライフードをお湯でふやかして、少しでも水分を多く摂取するように促す

缶詰をあまり好まない猫の場合は、ドライフードをお湯でふやかして与えることでも水分の摂取が促されます。これももちろん療法食のドライフードにしましょう。

水を飲む器をプラスチック容器にする

猫は金属の器に水を入れていると、匂いが気になり飲水量が減ることがあると言われています。猫によって好みもあると思いますが、試しにプラスチックの器に変更してみることもお勧めです。是非一度試してみてはいかがでしょうか。

ストレスを最小限にする

ストレスは特発性膀胱炎の発症に大きく関連するということは十分に分かっていただけたかと思います。ストレスを最小限にしてあげることには十分に配慮しましょう。

特発性膀胱炎は原因が明確でないので、再発予防が難しいです。ただ、日常から気をつけてあげることで再発のリスクを減らすことが出来る可能性がありますので、是非予防を行いましょう。