どんな病気?症状は?

糖尿病は膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの分泌が少ない、うまく細胞に作用出来ないなどの理由により、血糖を細胞でうまく利用できなくなり、血糖値が異常に高い状態が持続してしまう病気です。(通常であれば糖は尿中には出ないものの、異常に血糖値が高い状態が続くと尿中にも糖が出てしまうことから糖尿病と呼ばれています。)

糖尿病はⅠ型とⅡ型糖尿病に分類されます。Ⅰ型は膵臓の細胞が壊れてしまいインスリンが分泌できなくなる状態です。これに対しⅡ型はインスリンに対する肝臓や筋肉の反応が低下することで、インスリンは分泌されているにも関わらず、血糖を細胞に取り込めなくなってしまう状態です。犬ではⅠ型が約50%をしめるといわれています。

症状は、多飲多尿(水をたくさん飲み、おしっこをたくさんする状態)、たくさん食べるにも関わらず痩せてきたという変化が特徴的です。その他、糖尿病になると、白内障になって視力が低下する、白内障からぶどう膜炎になる、尿路感染症・皮膚感染症を繰り返すなどの合併症を伴うこともあります。(また、糖尿病の中でも、病態が進みケトアシドーシスという状態になると、元気がなくなり、下痢や嘔吐を伴う、命に関わる危険な状態になります。)

原因は?

糖尿病はいくつもの要因が絡み合って起こる病気です。原因は明確にはなっていませんが、遺伝、肥満、感染、インスリン抵抗性の疾患や薬物、免疫介在性膵島炎、膵炎などが要因と考えられています。

病院で必要な検査、治療法は?

病院では、尿検査(尿糖、ケトン体の測定)、血液検査による血糖値の測定が必要になるでしょう。猫ほどではありませんが、採血をする際に犬が興奮した時は、糖尿病でなくても一過性に血糖値が上昇する(ストレス性の高血糖)ことがあります。検査結果に不安を感じた時には獣医師に相談をしましょう。その他、全身状態を把握するという意味でレントゲン検査や超音波検査を行うこともあります。

糖尿病の治療の目的は、血糖値を出来る限り正常に近い範囲にコントロールをして、合併症を予防することです。治療法は、インスリンの注射をして血糖値のコントロールをすることがとても大切です。(犬の糖尿病ではインスリンの注射を不可欠とする場合がほとんどです。)人間と同じように、インスリンは注射で行う必要があります。回数や量は、犬の状態によっても異なるので獣医師の指示のもと、きちんと飼い主さんが責任を持って行わなくてはなりません。

また、食事療法も並行して行います。食事療法はインスリン注射と並んで、治療の根幹をなすほど重要です。糖尿病用の療法食は『食事による血糖の上昇を抑え、インスリンによる血糖のコントロールをしやすくなるように』作られています。動物病院で処方される糖尿病用の療法食を継続して与えることをおすすめします。量などもきちんと獣医師の指示にしたがいましょう。

どんな犬種がなりやすい?

糖尿病の好発犬種としては、ミニチュアシュナウザー、トイプードル、ダックスフンド、ヨークシャーテリア、ケアンテリア、ビションフリーゼ、ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバーなどがあげられます。雄犬よりも雌犬の方が糖尿病を発症する確率が高く、また避妊手術をしていない雌犬の方が更に糖尿病になりやすいです。

主な予防法は?

太らせない

太れば、人間と同様にもちろん糖尿病のリスクが上がってしまいます。常にインスリンが沢山出る状況が続くと、膵臓が疲弊して、結果的にインスリンが不足してしまい、糖尿病を発症してしまうのです。ほかの病気を予防するという意味でも、太らせないように(適正体重を保てるように)気をつけましょう。

犬の場合、運動のみでダイエットをすることは難しいので、食事の管理が大切になります。もちろんドッグフードの量を加減することは体重管理において大事です。でも、それ以上に人間の食べ物を与えている飼い主さんは要注意。人間の食べ物は、犬にとって思ったよりも高脂肪、高カロリーになりがちなのです。飼い主さんが責任をもってきちんと管理をしなくてはいけません。

日常的に運動をして健康的な体作りを!

肥満を予防する意味でも、日常的に運動をすることはとても大切です。基本的には1日1回か2回の散歩に行き、犬にとって十分な運動が出来れば問題はありません。

雌犬は避妊手術をすることも検討してみては?

雄犬と雌犬では雌犬の方が糖尿病になる確率が高いですが、更に、避妊手術をしていない雌犬と糖尿病になる確率が上がります。そのため、雌犬の場合は避妊手術をすることで糖尿病のリスクを減らすことが出来ます。繁殖の目的がない場合は病気の予防と言う意味でも健康なうちに避妊手術を行うことも検討してみてはいかがでしょうか。