どんな病気?症状は?

てんかんとは脳の神経細胞が異常に興奮した結果、突然発作をおこす病気です。発作は一時的で、繰り返し起こります。(1回のみの発作ではてんかん発作とは判断しません。)(頻度やてんかん発作の症状、発作の時間は個体差があります。)

症状はまず部分発作と全般発作があります。部分発作は意識がはっきりしているにも関わらず体の一部が震える、体が動かないなどの症状、これに対し、全般発作は、全身が痙攣して意識がなくなる発作のことを指します。そしてこの全般発作は強直性発作と間代性発作、強直間代発作の3種類があります。強直性発作は『手足をのばして、体をのけぞるようなタイプの発作』、間代発作は『手足をばたばたさせたり、全身が痙攣するような発作』をさします。また強直間代発作はこれらが合わさったタイプの発作です。

発作は一般的に前駆症状、発作、そして発作後期という時期に分けられます。前駆症状はそわそわしたり、どこかに隠れたり、いつもと違う行動を見せます。その後の発作が痙攣で脱糞、失禁、よだれをダラダラ出すなどの症状を伴うことも多いです。そして、まどろむようなぼんやりした状態がしばらく続きます。

万一発作がなかなかおさまらず、発作重積という状態になると、脳が酸欠状態になり、非常に危険です。早急に発作を抑えないと、命に関わる危険性もありますので、動物病院へ連れて行きましょう。

原因は?

原因によって真性てんかん、症候性てんかん、潜在性てんかんの3種類に分類されます。

まず真性てんかんは、CTやMRI検査でも脳の構造上の異変は見つからないにも関わらず、てんかん発作が起こるもの、つまり原因不明のものです。このタイプは5歳以下の若齢に発生が見られます。そして、この真性てんかんが犬で8割を占めるとされています。(犬では遺伝的にてんかんを起こしやすいと報告されている犬種もいます。)

次に症候性てんかんは、脳の先天的な構造上の異常や脳腫瘍、外傷、脳炎などの原因が存在し、てんかん発作が起こるもののことをさします。このタイプは犬で20%程です。
そして、潜在性てんかんとは、何らかの異常があることを疑うものの、明確な原因が見つからないものをさします。

病院で必要な検査、治療法は?

てんかん発作は脳の神経細胞の異常によって引き起こされますが、心臓の不整脈や虚血性心疾患、または電解質異常や中毒でも発作が起こることがあり、しばしばてんかん発作と誤認されることがあります。そのため、全身の状態を把握するため、様々な検査が必要となります。血液検査、レントゲン検査、超音波検査(+心電図検査)、MRI検査やCT検査は必要になるでしょう。

治療法は、基本的に抗てんかん薬の飲み薬になります。3カ月に1回以上発作が起こる場合に治療を行う必要があるとされています。ただ、この薬はてんかんを起こしにくくするための飲み薬なので、発作を起こす原因に対して治療を行っているわけではありません。もちろん、飲んでいれば発作は起こりにくくなり、一見症状がよくなったように見えて勝手に投薬をやめてしまう飼い主さんがいます。しかし、この状態で投薬を突然やめてしまうと以前にも増して発作が起こりやすい状態になってしまうのです。

このように、基本的には根気強く長期的に投薬を続ける必要があるということを覚えていてください。治療を継続していくと、獣医師の判断により薬を減らせる可能性もありますので、きちんと診察を受けながら治療をしていきましょう。(定期的に抗てんかん薬の血中濃度が十分な値か血液検査を行う必要があります。)
※症候性てんかんのように原因が明らかな場合は、脳疾患に対しても治療を行う必要があります。

どんな犬種がなりやすい?

ダックス、ビーグル、プードル、シェルティー、シェパード、ハスキー、テリアなどは特発性てんかんを起こすことが多いです。また、チワワ、シーズー、ヨーキー、ポメラニアン、パグ、ブルドッグなどは水頭症になることが多く、それに併発しててんかんを患うことも多いです。

主な予防法は?

特別な予防法はありません。日常からしっかりと愛犬の様子を確認しておくことが大切です。万一発作が起こった時には慌てずに、対処しましょう。通常のてんかん発作であれば、大抵3分ほどでおさまり、それ自身が直接死に直結することはありません。落ち着いて対応をし、周囲の障害物で犬が怪我をしないように気をつけましょう。(飼い主さんが怪我をしないように注意することも大切です。)

獣医師にしっかりと発作時の状況を伝えることは、診断をする上で大切なので、動画を撮影しておくこともおすすめです。てんかんを持っている犬の飼い主さんは、いざというときのために家に常備薬を持っておきましょう。